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2008年3月31日 大阪大学と和光純薬工業
疾患分子情報解析学(和光純薬工業)共同研究講座を開設

国立大学法人大阪大学と和光純薬工業株式会社は、疾患分子情報解析学に関する研究を目的とした「共同研究講座」を大阪大学大学院医学系研究科(保健学専攻)に平成20年4月1日~平成25年3月31日の期間設置致します。

「共同研究講座」とは、大阪大学が平成18年4月に日本の大学で初めて設けた制度であり、大学と企業が協議し、講座を運営する制度です。
大学主体の運営である「寄附講座」と異なり、産学連携の新しい形態です。
この「共同研究講座」では大学と企業が協議し、大学及び企業の研究者が対等の立場で共通の課題に向かって共同で研究を行うことで、優れた研究成果をだし社会に貢献することを目指します。
大阪大学では今までに11の「共同研究講座」を開設しておりますが、医学系研究科に設置するのは今回が初めてであり、学内でも注目されております。

今回設置する講座は、種々の疾患の早期診断、予防、さらに治療指針につながる病態に関連する情報を分子レベルで解析して、新規の医療技術として応用・開発することを目的としています。
これまでの既成概念を打ち破る斬新な視点から、病理学、生化学、分子生物学、細胞生物学などの技術を統合し、新たな疾患マーカー・病態情報について研究を行うのみならず、その成果を役に立つ医療技術として開発して、世の中に創出するところまでを視野に入れて、研究を進めていくものであります。
本講座で開発される成果が国民の健康・福祉につながることによって大いなる社会貢献を果たし、国際的にも大阪発の様々な情報を提供しうるものと期待されます。
具体的には、次世代乳がん早期診断マーカーの探索とバクテリオファージによる感染症治療の研究を行います。
研究の新規性ですが、これまでの研究では乳がんに関しては、多くのがんマーカーが早期診断目的ではなく予後管理モニタリングであるのに対し、本講座の目的が治療可能な早期がんを対象とした診断マーカーの探索であることを特長とします。
従来の血液や尿を用いた診断方法では、部位の特定や病態の把握が困難であるため、原発部位に直接関わる体液のサンプリングにより確実性の高い情報獲得を目指します。
尚、マーカー探索には臨床プロテオミクスやトランスレーショナルリサーチ技術など、日本国内では経験の少ないテクノロジーを多用する予定であり、それらに詳しい豪州の研究機関とのアライアンスも考えています。
一方感染症治療に関しては、抗菌スペクトルが広いために無関係な細菌(バクテリア)まで殺菌し、耐性菌を生み出してしまうおそれのある抗生物質とは異なり、本講座の研究では標的とする細菌のみに特異的に感染し溶菌させるバクテリオファージの活用を特長としています。
この方法は自然界に成り立つ「バクテリオファージの共生バランス」に基づいた技術であり、本来の生物生態系に即した理想的な細菌コントロール方法です。
また抗生物質発見以前から使用されてきたファージ技術を医療だけでなく、農業、水産業、環境浄化などにも応用するために、感染機構の解明を目指した研究も行います。

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