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2016年12月20日 マイクロフリュイディクス技術を用いた「全自動遺伝子解析装置 ミュータスワコー g1」
及び専用試薬「ミュータスワコー MTB」、「ミュータスワコー MAC」の発売

和光純薬工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:小畠伸三。以下、「和光純薬工業」)は、μTAS技術※1を用い 核酸増幅と分離・検出をマイクロチップ内で行う「全自動遺伝子解析装置 ミュータスワコー g1」(以下、「ミュータスワコー g1」)と専用試薬であるマイクロバクテリウム核酸キット「ミュータスワコー MTB」、「ミュータスワコー MAC」を2016年12月8日に発売しました。

本遺伝子検査システム(本装置と専用試薬)は、試料中の結核菌群MTB(Mycobacterium tuberculosis complex )及び非結核性抗酸菌MAC(Mycobacterium avium complex)のDNAを検出するものです。
  日本における年間の結核患者発生数※2は年々減少してきていますが、依然として注意を要する感染症であり、世界的に見ても、日本は結核中まん延国※3の位置づけとなっています。また、結核は二次感染を引き起こしやすく、迅速な感染対策が求められる疾患です。一方、非結核性抗酸菌感染症は年々増加傾向にあり、二次感染は起こしませんが、治療方針が結核や他の呼吸器疾患とは異なることから、鑑別が重要な疾患です。
  このような背景と治療や感染対策上、結核・非結核性抗酸菌感染症における遺伝子検査には、高い特異性と感度、迅速性が求められています。
  本システムは迅速性・簡便性を備えており、和光純薬工業では国内市場において、順次測定項目の拡大を行い、遺伝子検査市場において成長を図っていきます。


1.ミュータスワコー g1(装置)の特徴
  ミュータスワコー g1は、核酸の抽出と精製及びマイクロチップ内での核酸増幅・検出・判定を全自動化した装置です。
従来はマニュアル法であった菌体からの核酸の抽出と精製を自動化し、μTAS技術を使用することにより、迅速性と簡便性を実現しました。PCR増幅後のキャピラリ電気泳動(Capillary Electrophoresis)により目的増幅産物を分離分析し、MACの場合Mycobacterium aviumMycobacterium intracellulareのDNAを各々単独に判定します。MTB・MACの本装置での測定時間は、前処理を含めて約45分です。

○測定原理
  試料から抽出・精製した核酸中の標的遺伝子をマイクロチップ上でPCR法により増幅し、蛍光標識された増幅産物をキャピラリ電気泳動により分離した後、蛍光検出します。

○主な仕様・医療機器届出番号
分析方法 PCR-CE法
検出方法 レーザー励起蛍光検出法
測定方法 4検体同時測定
測定時間 約45分(MTB・MACの場合)
外部インターフェース RS232C LAN(Ethrnet) USB2.0
本体寸法 W 683mm ×D 647mm×H 670mm
周波数 50/60Hz
消費電流 7A
EMC規格 適合
医療機器届出番号 27B3X00024000016


2.ミュータスワコー MTB・ミュータスワコー MAC(専用試薬)の特徴
  ミュータスワコー MTB・ミュータスワコー MACには、MTB及びMAC測定に特異性の高いプライマーを使用しました。また、測定試料は、抗酸菌前処理液との混合により3分間で滅菌され、装置に安全に架設することができます。
  項目専用の試薬カートリッジは、一体型のモノテストタイプとなっており試薬調製は不要です。試薬分注用チップ及び核酸精製用カラムも同様に一体型モノテストタイプで、コンタミネーションリスク低減及び装置への架設、測定後の廃棄の安全性・簡便性を実現しました。

○商品一覧
品  名
包装
ミュータスワコー MTB(識別記号:g1)試薬カートリッジ 12回用
ミュータスワコー MAC(識別記号:g1)試薬カートリッジ 12回用
抗酸菌前処理液 24回用

別 売
品  名
包装
ミュータスワコー チップ核酸精製キット(識別記号:g1) 24回用
ミュータスワコー MTB用 陰性コントロール(識別記号:g1) 1mL×3
ミュータスワコー MTB用 陽性コントロール(識別記号:g1) 1mL×3
ミュータスワコー MAC用 陰性コントロール(識別記号:g1) 1mL×3
ミュータスワコー MAC用 陽性コントロール(識別記号:g1) 1mL×3


3.測定フロー(MTB・MACの場合)
  抗酸菌測定の場合、抗酸菌前処理液にNALC-NaOH処理済み試料を200μL加え転倒混和後3分静置したのち、装置にセットし約45分で判定結果が得られます。




4.本装置と試薬の外観


(追加説明)
※1 μ-TAS(micro Total Analysis System)
  半導体製造技術を用いてガラス等の基板上に100μm程度の細い流路を作成し、圧力や電気を使用して流路内の試薬やサンプルを動かし、混合、反応、分離、検出等、分析のすべてを基板上で行うシステム。反応の場が小さいために、装置の小型化、温度コントロールや反応の迅速化等多くのメリットがある分析手法です。2009年発売の全自動蛍光免疫測定装置「ミュータスワコー i30」の開発以来、和光純薬工業が築き上げた独自の技術を応用することにより、μTAS技術を遺伝子検査で実用化しました。

※2 結核の現状
  厚生労働省によると、平成26年中に新たに結核患者として登録された者の数は19,615人で、年々減少の傾向があるものの、新たに登録された潜在性結核感染症の患者数は7,562人で前年より増加。また、結核による死亡者数は2,099人(概数)も、前年の2,087人に比べ12人の増加。
  症状発現から受診までの期間が2か月以上の患者の割合は、昨年とほぼ同様あるが、30歳~59歳の働き盛りで感染性のある結核患者においては遅れが目立ち、平成26年は38%の患者に受診の遅れがみられた。また、初診から診断(登録)までの期間が1か月以上の割合もここ数年は、20%前後であり低下していない。
  参照:平成26年結核登録者情報調査年報集計結果(参考資料 10-1)
     (http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou03/14.html)

※3 結核中まん延国
  WHOによると、結核罹患率(人口10万対)10以下を低まん延国と定めています。日本の結核罹患率は平成26年に人口10万人あたり15.4人で、依然「中まん延国」とされています。低まん延国となっている欧米先進国に比べまだ多い状況です。


【お問い合わせ先】
和光純薬工業株式会社 臨床検査薬開発部 山本 直之
E-mail:yamamoto.naoyuki@wako-chem.co.jp

以上

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